見つけたら野外調理にぜひ使いたい|ギョウジャニンニク
混合樹林帯の水湿地に群生することが多いです。
生育速度が遅く播種から収穫までの生育期間が5年から7年と非常に長いので、希少な山菜とされています。
行者ニンニク(ギョウジャニンニク)という名前の由来は、山にこもる修験道の行者が食べたことからとも、逆にこれを食べると滋養がつきすぎて修行にならないため、食べることを禁じられたからとも言われています。
地下にラッキョウのような鱗茎がありますがそれを採ってしまうとすぐに絶えてしまうので、柄の部分から上を採ります。
根元に赤い鞘が付いているのと、強いニンニク臭があるのが特徴です。
必要な量だけ収穫して、乱獲はやめましょう。
誤食の多い山菜なので注意が必要!
ギョウジャニンニクと誤食される毒草は、バイケイソウ類、イヌサフラン、スズランの三種です。
食用のギョウジャニンニクには強いニンニク臭がありますが、毒草三種にはニンニク臭はありません。詳細は下記参照。
ギョウジャニンニクの山菜ランク
見つけ易さ | ★★★★★ |
判別し易さ | ★★★★★ |
美 味 し さ | ★★★★★ |
ギョウジャニンニクに似ている植物
コバイケイソウ、イヌサフラン、スズラン
いずれも毒草で注意が必要。
特にスズランの葉は区別がつきにくいですが、ギョウジャニンニクの匂いを覚えておけば他のものと間違えることはないです。
ギョウジャニンニクとスズランの見分け方
※小さい写真もクリックすると拡大表示されます。
写真2枚とも、左側がギョウジャニンニク、右側がスズランです。
生えている状態では両者とも赤紫色のさやが付いていますが、葉を摘んでみるとギョウジャニンニクは葉柄の下部(写真1枚目黄色矢印)そのものにも斑点状の赤紫色をしています。
葉の裏側をみるとスズランの方がツヤがありますね。
写真1枚目がギョウジャニンニク、2枚目がスズランです。
写真を見ると、ギョウジャニンニクの葉はスズランより細長いですが、成長度合いによって両者とも同じような形状になるので判別点にしない方が良いです。
この写真のスズランはすでに花が咲き始めているので間違えることはないですが。
ちなみに両者の花は全く違います。
写真1枚目がギョウジャニンニク、2枚目がスズランです。
ギョウジャニンニクの花はピンボケなのでまた撮り直しますが、ネギ科だけあってネギと同じように丸い玉のような花ですね。
スズランの花は、おなじみの鈴のようなかわいい花です。スズランは葉が伸び始めるのと同時に花穂も伸びてくるのでよく観察してみて下さい。
根の分も両者はかなり違います。
左側がスズラン、右がギョウジャニンニクです。
ギョウジャニンニクは根元がラッキョウのように細長く膨らんでいます。
ギョウジャニンニクとバイケイソウ、イヌサフランの見分け方
ギョウジャニンニクとスズランは茎の根元に赤紫色のハカマがついていますが(写真はギョウジャニンニク)、バイケイソウ類、イヌサフランにはありません。
バイケイソウ類は、葉脈がくっきりとしていて芽出しの頃は葉元が深くヒダになって折り畳まれたような形になります。この写真はかなり成長したものなので、はっきり別物とわかりますが、芽出しの頃はギョウジャニンニクににているので注意が必要です。
芽出し時期の写真が撮れればまた掲載します。
上記の通りギョウジャニンニクの根は細長いラッキョウのような形をしていますが、イヌサフランは根が丸い球根状になっています。
イヌサフランは本来日本には自生しておらず、栽培種が庭に植えられていたりします。私自身は実物を見たことがありません。どこかで見る機会があれば写真を撮って掲載します。
ギョウジャニンニクの美味しい食べ方
調理法:豚肉の行者ニンニク炒め、行者ニンニク入り卵焼き
その他おすすめの調理法:炒め物、行者ニンニク醤油(行者ニンニクを漬け込んだ醤油)
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