セリのような風味があってくせになる味|シドケ
シドケ(標準和名:モミジガサ) 【キク科コウモリソウ属】
地方によってシトギ、モミジソウとも呼ばれます。
林道脇の水が染み出しているような湿った斜面に群生します。
他には湿り気があって朝日が当たるような杉林にもよく生えるようです。
一番特徴的なのは開くと紅葉のような形の緑色の葉。
典型個体は大きく7つに裂けた葉になります。
ただ、山菜としては主に葉が完全に開く前の芽出しの頃のものを利用します。
葉が完全に開く前の幼葉の頃は葉の裏側に白い繊毛がたくさん生えています。
葉が開いたものは、手で折り曲げて折れる部分から上のみ採取します。
葉が開き切るまでの目だしの状態であれば、ナイフで根元から切り取ります。
根元から切りとったシドケ。
茎は緑色をしていますが、ミズやアイコ同様根元はやや赤みがかります。
アイコも似たような場所に生えるので、アイコが生えていればその周辺を探すとシドケも見つかるかもしれません。
群生していることが多いので、見つけるとそこそこの収量になります。
収穫したシドケ。
採って半日も持ち歩いていると萎れてくるので、持ち帰ってから家で一晩水に浸けておくとシャキッとします。
シドケの山菜ランク
見つけ易さ | ★★★★★ |
判別し易さ | ★★★★★ |
美 味 し さ | ★★★★★ |
シドケに似ている植物
ヤブレガサ、トリカブト(猛毒)。
トリカブトはそれほど似ているとは思いませんが、2021年にも飲食店で誤って提供するという事故があったので、念のため記載しておきます。
シドケ(モミジガサ)とヤブレガサの見分け方
そして、こちらがヤブレガサ(画像はウィキペディアより)。
ヤブレガサの方が深く裂けるのと、裂数が多いのが特徴です。良く見ると葉の形も違いますね。
ヤブレガサはシドケに比べると乾いた環境に生えます。
芽出しの頃のヤブレガサこんな感じです(画像はウィキペディアより)。
ヤブレガサの芽出しの頃の葉は白い綿毛に覆われます。
一方シドケはうっすら白い繊毛が生える程度です。(画像は東京都健康安全研究センターより)
ヤブレガサも芽出しの頃は山菜として食べられるので、仮にモミジガサと間違えても問題はありません。
シドケ(モミジガサ)とトリカブトの見分け方
写真1枚目(画像はウィキペディアより)がモミジガサの芽出しの頃。
そして写真2枚目がトリカブトの芽出しの頃。
トリカブトは葉の切れ込みが深く、先端部にも切れ込みがたくさん入っていますよね。良く見れば葉の形が全然違います。
ただ、トリカブトにはいくつか種類があり、切れ込みが浅いものもあるので注意が必要です。
上記した通り、シドケにはうっすら白い繊毛が生えますが(画像は東京都健康安全研究センターより)、トリカブトの葉の表面は無毛です。
シドケ(モミジガサ)の美味しい食べ方
調理法:おひたし、シーチキン和え、天ぷら、炒め物、卵とじ、味噌汁など。
セリのような風味があるので、香草好きな人にはたまらない味でですが、好みは分かれるかもしれません。葉より茎の部分が美味しいです。
コメント