ほんのりした苦みが特徴の大型シメジ|ウラベニホテイシメジ
ウラベニホテイシメジ(イッポンシメジ科・発生地:マツと広葉樹の混生林の地上)
傘は灰色〜灰色がかった黄土色で、白い繊維状のかすり模様ができます。
白い繊維状のかすり模様(赤矢印)の中に、ところどころ指で押したようなクレーター状の跡がついている(黄色矢印)のが一番わかりやすい特徴。
傘表面のアップ。こちらの写真の方がわかりやすいですね。
黄色矢印のところに指で押したような跡がついてますよね。その周辺全体に白い繊維状のかすり模様がはっきり見えます。
柄は根元に向かうにつれて太くなり、どっしりとしていて中実(中身がしっかり詰まっている)です。
株になって何本かつっくいた状態で生えていることも多いです。
幼菌は傘が饅頭型をしていますが、成長するにつれ平らに開いてきます。
開いても、傘表面の特徴は変わりません。
雨に打たれて濡れた状態。
雨で濡れると傘表面にヌメリが出ます。ヌメリが出てもヌメリの下には例のかすり模様と指で押したような跡(黄色矢印)は確認できますね。
ただし、濡れた状態だと下記クサウラベニタケやイッポンシメジに似てくるので、はっきり自信が持てない人は手を出さない方が良いでしょう。
※キノコ中毒の中でウラベニホテイシメジと間違えてクサウラベニタケを誤食する例が一番多いので、注意する必要があるキノコです(下記参照)。
ウラベニホテイシメジのキノコランク
見つけ易さ | ★★★★★ |
判別し易さ | ★★★★★ |
美 味 し さ | ★★★★★ |
ウラベニホテイシメジと間違えやすいキノコ
誤食が多いキノコの代表格クサウラベニタケ(毒)に似ています。
より酷似しているイッポンシメジ(毒)にはさらに注意が必要です。
ウラベニホテイシメジとクサウラベニタケ、イッポンシメジの見分け方
■ウラベニホテイシメジ(食)
傘表面には繊維状の白いかすり模様があり、ところどころに指で押したような跡があります(上記参照)。
傘裏のヒダは薄紅色。
柄は根元に向かうに従い太くなり、中実でしっかりとしています。
■クサウラベニタケ(毒)
傘はつるっとしていてやや艶があります。ウラベニホテイシメジのような模様はありません。
濡れるとややヌメリが出ます。
写真1枚目は乾燥して傘が割れたもの。
濡れると写真2枚目のように中央部に白い円ができます。
傘裏のヒダは薄紅色でウラベニホテイシメジと酷似。
柄はウラベニホテイシメジより全体的に華奢で弱々しいです。
中身はスポンジ状で脆くて軽く握っただけでも割れてしまいます。
■イッポンシメジ(毒)
傘表面には艶があり、周辺部が強く波打つ個体が多いです。
ただし、この写真は雨に打たれた後のものなので、乾いているとこれほど艶はありません。
ウラベニホテイシメジのような模様はありません。
傘裏のヒダは薄紅色でウラベニホテイシメジに酷似。
柄は中が中空で(写真2枚目黄色矢印)握ると潰れます。ウラベニホテイシメジ、クサウラベニタケに比べて個体数は少ないです。
三種とも同じ場所に生えるので、しっかりと見分ける目が必要です。
以下の2点が明確な判別点です。
1. 傘表面の繊維質の白いかすり模様と指で押したような跡があるかどうか。
2. 柄が中実であるかどうか。
誤食による食中毒事例が多いキノコなので、しっかり判別できない場合は食べてはいけません。濡れた個体は慣れないと判別しにくいので、採らない方が良いです。
ウラベニホテイシメジの美味しい食べ方
おすすめ調理法:炊込ご飯、煮物、トマト煮、甘酢炒め、チキンドリア、チーズ焼など。
「強い苦みがある」と書かれているキノコ図鑑もありますが苦みはそれほどではなく、下茹でするとほのかな苦みといった程度でいろんな料理に使えます。肉厚で歯切れも良く美味しいキノコです。
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